2014年2月4日火曜日

告発、動かぬ厚労省「隠蔽される」 元教授、実名で会見

告発、動かぬ厚労省「隠蔽される」 元教授、実名で会見

2014年2月4日08時08分


アルツハイマー病研究の国家プロジェクトJ―ADNI(アドニ)」で、データ改ざん疑惑が浮上してまもなく1カ月。厚生労働省は東大に調査を丸投げし、疑惑解明に及び腰だ。「動かぬ厚労省」に業を煮やし、昨年11月に内部告発メールを送った研究者がついに実名での記者会見に踏み切った。

■「国際的信用を失う」
 「このままいくと隠蔽(いんぺい)される。心配になった」
 主要メンバーとして改ざん疑惑を見つけ、告発メールを送った脳血管研究所教授の杉下守弘・元東大教授は3日の会見で、実名を明かして真相究明を訴えるに至った心境をこう語った。
 当初は表舞台で訴えるつもりはなかった。だが、厚労省は告発メールを研究責任者の岩坪威東大教授に転送し、杉下氏が告発したことが研究者らの間に 知れわたった。さらに岩坪教授が報道関係者や研究者らに向けて杉下氏の人格を批判し、杉下氏が人間関係のもつれから告発に踏み切ったとの見方が厚労省内や 学界に広がった。
 杉下氏は告発前にも研究チーム内でデータ改ざんの恐れがあることを訴えていたが変わらなかった。厚労省に告発メールを送った後も担当者に2度会っ て訴えた。それでも厚労省は告発として受理せず、岩坪教授が所属する東大に調査を任せた。杉下氏は「私が告発したのは人間関係のもつれからではない。この ままだと日本の研究が国際的信用を失うからだ。問題を矮小化(わいしょうか)してはならない」と憤る。
 会見に同席した小池純一弁護士は「相当なお金が投じられているプロジェクト。研究成果が国際的に生かせなくなることを恐れている」と語った。
 厚労省は改ざん疑惑が報じられた1月10日に東大に電話で調査を打診。16日に東大の担当部長を呼んで2月末に報告を出すよう求めたが、調査は始まっていない。
 東大は内部の不正を調べる第三者を含む委員会を常設しているが、J―ADNIは 全国の研究者が参加しているためこの委員会は使えず、新たな委員会を立ち上げなければならない。東大本部広報課は「『こちらが調査するという認識はない』 と一度は断った。他の大学や病院への調査権はないので、どう調べたらいいのか」と困惑している。調査委発足の時期は見通しが立っていないという。
 第三者委員会に詳しい宮野勉弁護士は「データ処理などの専門知識のある第三者が調べることが必要だ」と話す。(渡辺周、月舘彩子)

朝日新聞

写し
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告発があった時に被告発者や調査機関が「告発者は人間関係のもつれから告発した。」と主張し告発や調査を妨害することはよくあります。例えば井上明久前東北大総長に対する匿名告発は悪意告発とみなされ、告発が二度と行われないような圧力がかけられました。

不正の合理的な根拠があれば、きちんと調査される必要があります。厚労省はきちんと調査してください。

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