2014年4月25日金曜日

大阪府立大院生が論文データを捏造 理想的な数値1千個

大阪府立大は27日、大学院工学研究科の男子大学院生(修士2年)が、応用物理学会英文誌に発表した半導体に関する論文のデータを捏造(ねつぞう) したと発表した。同学会に謝罪するとともに、論文の取り下げと、学会の奨励賞の返上を申請した。学内に調査委員会を設置し、担当教授らの指導など研究体制 のあり方などについても調べる。
 論文は、同学会の06年12月15日付の英文誌に掲載された薄膜トランジスタについての研究。論文の中核をなす実験は、同院生が単独で実施し、所属研究 室の藤村紀文教授らと共著論文として投稿していた。また、院生は05年9月の同学会で前段となる論文を発表し、奨励賞を受賞していた。
 問題となった論文は、チタン酸鉛などを使い、大電流にも耐えられるトランジスタの開発をめざしたもの。
 今月21日に府立大で開かれた修士論文発表会で院生が同じ発表をしたところ、トランジスタの特性を示す二つのグラフのデータのとり方の不自然さに助手らが気づいた。院生がパソコンやノートなどに残したデータを調べると、実験をした証拠がないことがわかった。
 院生に問いただすと、「実験はせず、グラフは自分でつくった」と捏造を認めた。
 藤村教授によると、院生は、理想的な特性を表す数値を約1000個捏造し、入力していた。「実験は彼に任せていた。きれいなデータで全く疑わなかった。管理者としての私の責任」と語った。
 奥野武俊・工学研究科長は「あってはならないことが起き、申し訳ない。調査委員会を設置し、処分や体制づくりを検討する」と話している。

朝日新聞 2007.2.27 写し

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2014年4月20日日曜日

慈恵医大の内科医、科研費不正申請か 研究業績を粉飾?

 東京慈恵会医科大の内科医が、国の科学研究費補助金科研費)を申請する際、研究業績を偽って申告していた疑いがあることがわかった。大学は調査委員会を設けて事実関係を調べている。
 文部科学省などによると、科研費の 申請書で、研究業績として論文を記載する部分に、他人の論文を自らが執筆に加わった論文だと記載していた。名前の英文表記が同じ研究者の論文を自分の業績 のように見せかけ、執筆論文を上乗せしていた。例えば「朝日太郎」だとすると、「T.Asahi」と記された「朝日敏男」や「朝日哲夫」といった名前の研 究者の論文を自分の論文としていた。同様の手法を使っていた研究者が同大に複数いるとみられるという。
 慈恵医大によると、学内でうわさとなり、昨年12月に調査委員会を設置して、詳細を調べ始めた。
 科研費は、国が独創的・先駆的な研究を公募し、採択された課題に研究費を助成する制度。2013年度の予算は2381億円。慈恵医大には147件2億7885万円が支給されている。
 文科省学術研究助成課は「大学から3月に調査について連絡を受けた。当該医師は科研費の使用を一時的に停止していると聞いている」としている。
 慈恵医大広報推進室は「科研費申請のプロセスでルールに沿っていない事例があることが判明した。調査委の報告がまとまるまで詳細は答えられない」としている。(西川迅)

朝日新聞 2014.4.20

写し

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