2015年3月1日日曜日

論文不正:大分大医学部元2講師、26本に捏造や改ざん /大分

論文不正:大分大医学部元2講師、26本に捏造や改ざん /大分

毎日新聞 2015年02月28日 地方版

大分大(大分市、北野正剛学長)は27日、医学部元教員2人の研究論文計26本に捏造(ねつぞう)や改ざんがあったと発表した。2人とも既に退職し処分できないが、在籍なら懲戒処分に相当するとし、論文撤回を求めたという。
 不正認定されたのは、産婦人科学講座の元講師、高井教行医師(47)=停職9カ月相当=と、麻酔科学講座の元講師、萩原聡医師(42)=停職3カ月相当。2人とも異議は唱えていないという。
 萩原医師に関して不正の通報が文部科学省を通じてあり、同大は2012年7月に調査委員会を設置し、欧米の医学専門誌に載せた英語論文を調べた。 生データがなく、その理由を説明できないなどとして2本を捏造と認定。別の研究の写真を流用したなどとして3本を改ざんに当たるとした。
 高井医師に関しても通報をもとに12年11月に調査委を設置。実験ノートがなく裏付けが取れないとして19本を捏造、実験条件が資料と論文で違うなどとして2本で改ざんがあったと断定した。
 北野学長は「著しいモラルの欠如による不正。私自身も管理責任を感じている」と述べ、倫理教育を徹底して不正の防止に取り組む決意を表明した。【池内敬芳】